読書メモ『七つの会議』
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読み応えのある作品でした。お薦めです。
ある中堅メーカーで発生した不正事件。
各章、別の社員目線で語られる作りになっており少しずつ事件の全容が明らかとなっていく。
私も企業で働く一介のサラリーマンだが、
それぞれの方が会社でどのような仕事を
しているのかは理解できたとしても、
それぞれの人間の生い立ち、そこから来る
価値観、イズムを深く理解はしていない。
自分の世界に近いようで、
小説にしかできない視点。
チームの中での評価があれば、
それとは別の会社の評価があり、
家庭の評価も同じとは限らない、
そもそも人間としてのあり方は正しいのか、
様々な価値観を提示してくれている。
生きること、働くこと、その意味を見つけるには詰まる所、自分は何を拠り所にして生きるのか、に尽きる。
何かを強く訴えかける内容ではないが、
今の自分の環境にいると、
思いをめぐらせずにはいられない作品でした。